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2023/04/01 05:31

BRAND STORY

〜革が大好きな少年が革職人になる物語〜






私は、中学生の頃に部活動でやっていた野球のグローブに使われている「革」の経年変化を間近に見てきて、「革」という素材が大好きになっていました。


近所のスポーツ用品店には、道具ではなく、道具自体に使われている「革」という素材を見るために通い詰めていた程です。



そんな革が大好きだった私は、父親の趣味がきっかけでレザークラフトを始めました。



これは、私にとっては運命的な出会いとなりました。



革を切ったり、縫ったり、磨いたり、地味で単純な作業が、時間を忘れるくらい本当に楽しくて、のめり込んでいました。


父親に「いっぺんにやりすぎや。また今度にしいや」と言われる位、没入して取り組んでいました。

当時の私を振り返ると、昔からこだわりが強く、細かい事がとにかく気になる繊細なタイプで、レザークラフトはそんな私にピッタリの趣味でした。


その時は、ただ好きで革財布等を作っていて、将来大人になってから革で商品を作るなんて、考えてもいませんでした。


学生生活のため、レザークラフトから離れる時期もありましたが、あることがきっかけで、私は再びレザークラフトを始めることになりました。


そのきっかけは、素敵な方と結ばれ、結婚式をしたことです。

「結婚式で妻に何かプレゼントがしたい。」

そう思った私は、昔に趣味でやっていたレザークラフトが思い浮かびました。

「そうだ、革財布を作ろう!」


そう思い立って、妻に内緒で実家にコソコソ通い、1ヶ月かけて革財布を完成させました。

久しぶりのレザークラフト。失敗もたくさんしたけれど、童心にかえった気分でとても楽しい時間でした。


結婚式当日、サプライズで妻に革財布をプレゼントした時にこう添えて言いました。「革は経年変化が楽しめます。革と同じように、私達も長い期間をかけて、お互いの変化を楽しみながら生きていこう。」


いま振り返ると恥ずかしくて、文章を書きながら顔が赤くなってきましたが、いま、その革財布はサブで使っていて、シミやキズが付いていたり、色が変化して艶も出ており、思い出の詰まった革財布に経年変化をしています。


革製品は、見た目の色艶の変化だけではなく、使い手それぞれの思い出が刻み込まれる、「物」であり、「想い」が込められていると思います。


そんな事がきっかけで、再び趣味としてレザークラフトを始めて、家族や友人からオーダーを受けて、革小物や鞄を作ってプレゼントしてきました。


自分が心を込めて作った物を受け取った方の喜んだ顔が本当に嬉しくて、もっと多くの方々に喜んでもらいたい。

そんな想いが込み上げて来るようになりました。


そんな中で財布やアクセサリーなどの革小物販売を始めましたが、うまくいかず…

それなら、自分の得意な「レザークラフト」と、好きな「キャンプ」を組み合わせてみよう!と思い方針転換。


キャンプは好きですが初心者レベルなので、どんな商品がいいのか、友人やお客様から商品案をいただいて、それを自分の持っている技術で形にしてきました。




ブランド名であるgemelli(ジェメリ)は「双子」という意味なんですが、「お客様に革製品を大切に育てていただきたい」という思いが込められています。


大切にするとは言っても、キズや汚れをつけずに使っていただきたいという意味ではなく、それぞれのキャンプスタイルに合わせて、「相棒」のように長く使い続けていただきたいというのが私の願いです。


使い手それぞれの革製品の色や形に「個性」が出てきて、汚れやシミを「経年変化として楽しむ」ということが、皆様のキャンプライフの一部になれれば幸いです


心を込めてお作りした商品、大切に使い続けて下さると嬉しいです。

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